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★★★ 連綿と続く芸術への熱き想い ★★★

お知らせ

今月のア・ラ・カ・ル・ト

4月のアラカルト
 卯月、April になりました。早いですね、今年も4分の1が過ぎました。元旦にお節料理を囲んで「おめでとう!」と新年を祝ったおりに、「はい、鉄のお年玉」「ありがとう!」と交わした娘との会話を思い出します。
鉄は娘一家が飼っていた13歳の北海道犬です、いえ「でした」。かねてから犬を飼いたがっていた娘が「北海道犬あげます」というチラシを見つけて、会いに行き即決で「この仔」と決めたようです。しばらく手元に置いてからと言われて、指定の日に引き取りに行きました。餌代として金額を提示されたりした経緯がありましたが、コロッと丸い白い仔犬がやってきました。ちょうど夏休み中で娘一家は出かける予定があったのでとりあえず我が家で引き取りました。夜の山に向かって『ウォ~ン、ウォ~ン』と遠吠えするのが、まるで「ママ、ママ、どこ?」と哭いているようで、あのウォ~ンは今でも耳に残っています。
鉄は屋外で飼いました。庭にテニスコートがあって、その横に奥まで延びる庭があるので、長い鉄線を張って、リールを繋いで走れるようにしてありました。鉄なりに排泄場所を決めていたようで小屋の周りに排せつ物があることはありませんでした。庭沿いのサクランボやイチジクなどの果樹を食べたり転がしたり。子供たちとテニスコートでサッカーボールを追いかけっこ。子供たちを乗せての犬橇遊び、たくさんの写真があります。娘は朝夕かなり遠くまで散歩に連れて行っていました。ある時「鉄がストを起こしたので迎えに来てほしい」と電話があり、行くと鉄を抱いてポツンと立っている娘がいました。北海道犬だけに暑さには弱く、日除けテント下の小屋の近くに深い穴を掘って寝るのが夏の定番でした。一家中でコロコロと精いっぱい楽しんでいる姿を何度も目にしました。
何年か前、糖尿病の診断がくだり朝、夕ご飯の前にインシュリンを注射して、決まった量のドッグフードだけの暮らしになってしまいました。娘夫婦、長男、私の家人や息子が協力して朝晩欠かさず注射を続けました。せめて薬代の一助にとの思いが、『鉄のお年玉』となった次第です。それでも何年も元気に生きてくれました。
今年になって徐々に元気がなくなり、ドッグフードも嫌がるようになってきたので、お粥や野菜スープにしましたが、とうとう2月15日に眠るように逝きました。生涯、穏やかで可愛い犬でした。いま娘はペットロスの真っただ中にいます。
(K.M)

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中信美術会

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