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今月のア・ラ・カ・ル・ト
2025年新春のアラカルト
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
1月 Januaryの語源はローマ神話のJanus神からきています。門の守護神ヤーヌスは頭の前後に顔を持つ双面神です。また高浜虚子の句に「去年今年貫く棒のようなもの」があります。私は年末にカレンダーをかけ替える時にこの2つを思い浮かべます。去年の様々な出来事の中には、断ち切りたいこともあれば、貫く棒のように続いて欲しいものもあります。どちらが去年か今年の顔か分からないのですが、双面神の顔には明るい今年が見えます。
しかし世界中には去年今年を貫いている懸案事項はたくさん存在しています。ロシアのウクライナ侵攻は1年どころか複数年にわたり、相変わらず棒のまま、加えて韓国やシリアは12月に急に困った棒になりました。はたしてこれらの国々の今年の動きはどうなるのでしょうか。多くのシリア難民が嬉々として帰国する映像を観ながら、どうか平和で安全な国となるように祈るばかりです。トランプ新政権が誕生後の世界情勢の変化や如何に。自国第一主義がますます蔓延していくのだろうか。気候変化も予測不能。加えて新たな火種が世界中に広がっていくような不安を感じさせます。
そんな思いを巡らしている折、年末に他界された文化人類学者の川田順三さんを追悼する文に共感しました。「文化の三角測量…文化を他の2点から測れば覚めた目で立体的に捉えることができる」、「自分の属する文化だけを絶対視して他を断罪したり、偏見から貶めたりする愚かしさを、これから地球に生きる私たちは何としても克服しなければならない」、「SNSが隆盛し、自国第一主義が広がる世界。客観的な視座を保つためにも『三角測量』の知恵を引き継ぎたい」(部分引用)
日々、SNSやメディアを通じて大量の情報が流れてきます。SNSで興味のあることを検索すると立て続けに関連事項が出てきて、ついつい時間を費やしてしまう時も。その中に意図的に悪意ある情報が含まれていれば、意識しないうちにバイアスが掛かってしまう危険性を感じています。冷静かつ俯瞰的に物事を見る目がますます必要とされる現代、それこそ三角測量の出番です。
今年も世界中で喜怒哀楽、色々な事象があるでしょうが、権力欲、偏見、差別観を抑えて
自他を大切にする気持ちがあれば多くの紛争や事件は減らせるのではないかと思っています。一月の呼称は「睦月」、睦まじく平穏な1年でありますように
(K.M)
委員長 清沢龍美
事務局
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