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![]() 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます 74回展のポスターができました。 今回は、征矢野久さんの初夏の安曇野を描いた水彩画です。 |
リーフレットもできました。 詳細は中信美術展のページをご覧ください。 |
5月、皐月、 心地よい響きです。5月8日は「母の日」です。私の「母の日」は、11年前までは5月15日の母の誕生日でした。何年にもわたって赤い薔薇を50本贈りました。
「…春は軒の雨、秋は庭の露、母は涙乾く間なく祈ると知らずや…」、中・高時代に歌った「母の日礼拝」の讃美歌の一節です。母はこのイメージとは違い、プフッと笑える愉快なエピソードを沢山遺してくれました。
ゴルフは観戦するのもプレーするのも大好き。いつか当地のゴルフ場で「女子ゴルフツアー」があった時には、我が家に泊まって、お弁当と水筒を背にしてシャトルバスで日参。連日興奮していました。海外のゴルフやサッカーは早起きしてBS観戦。麻雀を父に伴って暮らしたバンコクで覚えてきて友人や叔母たちに拡散。その後建てた家の居間の隣には麻雀卓に変身できる正方形の掘り炬燵がある部屋がありました。ある日友人と卓を囲んでいたら電話のベル、出るとグズグズとすすり泣く男の声。一人だけの男孫かと思い込み「Rちゃん?」と話しかけてもはっきりしない。「あんた男でしょ!泣きなさんな!」と一喝するとガチャンと切れてしまったそうです。オレオレ詐欺のハシリだったのでは、と話の種になりました。阪神タイガーズファンで、勝っても負けても試合後には電話報告。監督の采配や選手のプレーを褒めたり、嘆いたり。今年の不甲斐ない阪神には彼の地でヤキモキしていると思います。なにしろ頭の中は黄色と黒の縞模様ではないかと思える人でしたから。
お茶を教え、お謡いや鼓にも熱中していました。旅行も好きで、最晩年に「ドイツなら行けると思う。もう一度行きたい」と言うので、一緒に行く約束をしたものの体調を崩してアッという間に別の地に旅立ってしまいました。「心残りはパソコンをしなかったこと」、もっと早く聞いていれば何とかしてあげられたのに。長い母子の歴史には喜怒哀楽が多々ありましたが、今、私の心の中にあるのは、母の笑顔と感謝です。
小学校の頃に友人から「うちのお母さんが、あんたとこのお母さんはユーカンマダムやと言うてはる」と言われたことがあります。その時は意味が分からずに「何か勇敢なことをしたのかなぁ」と漠然と思っていました。振り返れば、成程あの人は愛すべき「有閑マダム」だったと思います。亡くなってからは、命日の1月10日に赤い薔薇を贈っています。あの有閑マダムには赤い薔薇が実にお似合い。
委員長
矢野口 靖
事務局
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古畑睦弥
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